【名称】 野鯉(ノゴイ)
【釣場】 川の中流~汽水域、湖沼
【地域】 日本全国
【釣れる時期】 春~晩秋
【サイズ】 最大80㎝以上、まれに1m超える
野生の鯉を『野鯉』(ノゴイ)と言います。
川の下流域・汽水域を悠遊と泳ぐ、時には1mを超えるような大きな野鯉を釣る方法の一つが『吸い込み釣り』です。
一見取っ付き難そうな感じがするかもしれませんが、実は意外と簡単に始められて、意外と簡単に釣れます(サイズを問わなければ)。
あなたも大物野鯉釣りに挑戦してみませんか?
釣り場はこんな所
野鯉は、日本全国の河川下流域・汽水域、または湖沼など広く生息しています。
ある程度大きな川で、水深が1m以上あるようなところであれば、大物が釣れる可能性も。
以下、釣り場のイメージを掴むためにも実際の場所例を見てみましょう。
これら河川下流域・汽水域での野鯉釣りはそれほど人気があるとは言えない為、ネットで釣果情報を見つけるのは難しい河川もあります。
ネットの他、淡水系に強い地元の釣具店などでリサーチすると良いでしょう。
湖沼では、鯉と人気のヘラブナは生息域が被るので、ヘラ釣り師によって釣果情報がもたらされることも多くあるし、漁協や観光組合が管理している釣り場では、定期的に放流されている場合もあり、そちらからの情報入手も可能です。
仕掛けはシンプル
下図『仕掛図』をご覧ください。
仕掛けはシンプルです。
<竿・ロッド>
安価な3-4m程度の投げ竿でOKです。
『カープ・フィッシング』用の専用竿が販売されていますが、この釣法では特に必要ありません。
<リール>
3000番台以上の比較的大き目のスピニングリールを使います。
大物を狙いますので、ドラグ機能が付いたものが必要です。
※目安としては、3000円以上するリールには、殆どのものにドラグ機能は付いています。
つまり極端に安いものを使わなければOKです。
また、遠くに仕掛けを飛ばす必要は無いので、サーフ(砂浜)仕様のリールは必要ありません。
<道糸・ライン>
4号以上のナイロンラインを使います。
極端な話、10号の極太でも構いませんが、リールに巻ける糸量に影響しますので、リールの巻量とのバランスを取る必要があります。
<中通しオモリ>
「オタフク型」が一般的ですが、オモリの形には特にこだわりません。
重さは10-15号を使います。
尚、ゴム管がオモリ内に通してあるタイプを使う場合は、次のゴム管は不要です。
<ゴム管>
オモリによる道糸とサルカンの接続部ダメージを防ぐクッションの役割を果たします。
<吸い込み釣りハリセット>
市販のものを使います。
一般的には5本程度のハリと渦巻き型の傘が一つに結ばれています。
ハリのサイズは、鯉針10-12号程度で良いでしょう。
<その他必要なアイテム>
仕掛図にはありませんが、竿立てやタモ・玉網などは必須アイテムですので、用意しておきましょう。
エサはこれ
鯉用の市販粉エサ(練りエサ)を使います。
水を加え混ぜ、ダンゴにして投入しますので、ある程度の粘りは必要です。
吸い込み釣りに対応したエサを購入し、記載されている水分量を守りましょう。
吸い込み釣り仕掛けは、一本だけハリがダンゴから飛び出る形になっています。
ここに刺しエサとして、太ミミズやサツマイモなどを付けます。
これはオプションで、無くても構わないのですが、刺しエサを付けない場合は、ハリをダンゴの中に入れてしまいます。
エサの付け方
- 片手一杯に粉エサを握り、親指とその他指で真ん中を割ります。
パサパサタイプの粉エサの場合は、片手手のひらに一握りの粉エサを乗せます。
次に、吸い込み仕掛けの傘部分を真ん中に置き、中央の糸の長いハリを除き、その他ハリをその周りに配置します。 - もう片方の手で同量の粉エサを掴み、2の上から被せ、両手で握ります。
- おにぎりを作るような感じで、形をまとめていきます。
- 一本飛び出たハリに、ミミズまたはサツマイモなどの刺しエサを付けて完了です。
刺しエサを使わない場合は、上記2で全てのハリをダンゴに配置し、握り込みます。
ダンゴが割れやすい場合は、握り込みが足りない、または粉エサの水分量が多すぎる、または少なすぎるので、調整します。
吸い込み釣りのやり方
- アンダースロー又はオーバーハンドで、ダンゴが付いた仕掛けを狙ったポイントへ投下します。
どの投入方法でも軽くフワッと投げるのがコツです。
いくらダンゴを固めているとは言え、通常の投げ釣り感覚で力を入れ過ぎるとさすがにダンゴが壊れます。
この釣りは、投げ釣りというより、ブッコミ釣りに近い近場のポイントを狙う釣りです。 - 鯉には、いつもの決まった通り道があると言われています。
つまりその通り道上にダンゴを落とせれば、釣れるというわけです。一見何のメリハリの無い場所に見えても水中には流木や大きな岩などの障害物がありますので、汽水域であれば、それらポイントとなりそうな障害物を干潮時に確認しておくという手もあります。
または複数の竿を用意して、数で攻めるのも手。
初めての場所であれば、1回目の釣行はポイント探し位のつもりの方がいいでしょう。 - ダンゴを投入したら、道糸を軽く張った状態にして、竿立てなどに立て掛けておきます。
この場合、不意に竿を持っていかれないように、竿の根元を固定する処置を行い、ドラグを糸が弛まない程度に緩めておきます。 - 鯉がエサにアプローチし始めたら、竿先を細かに揺らすアタリが出ます。
これは鯉がダンゴを突っついたり、吸い込もうとしている状態で、まだハリ掛かりはしていません。竿を手に持ち、ドラグを少し締め、スタンバイしておきます。
- 次第にダンゴが崩れ、ハリが水中で露出する状態で鯉が更に崩れたダンゴを吸い込もうとするといよいよハリ掛りします。ハリが鯉の口に掛かった状態で鯉が動くと、竿先を大きく撓らせ、道糸を持っていくような大きなアタリがでます。
ここで竿を大きくシャクって合わせます。 - ここで紹介している仕掛けなら、50cm程度までの小型・中型なら、難なく寄せられます。
60㎝を超えるような大物になってくると、ドラグを使いながら、疲れさせ、少しずつ一進一退で寄せるような感じでやります。 - 鯉を手前まで寄せたら、タモ・玉網で取り込みます。
よく釣れる外道
この釣法では、鯉の他に色々な外道が釣れる場合があります。
淡水域であれば、フナやウグイなど。
汽水域であれば、ボラ、フグなどが掛かる場合があります。
一日に沢山のアタリがある釣りではありません。
ここぞ!という時の為にスタンバイしておく必要はありますが、気分はのんびり、本や雑誌を読みながらでも構いません。
または秋~初冬の汽水域であれば、ハゼ釣りの傍らでやるのも手。
気ままな野鯉の吸い込み釣り、是非ともお楽しみくださいませ。