川エビの代表格であるテナガエビ(手長エビ)。
川の中流域から河口まで、淡水域および汽水域まで広く生息しているエビで、釣りして楽しく、食べても美味しいありがたいエビです。
この記事では、日中にウキを使ってのんびり釣る方法を紹介します。
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生息地域、場所、釣り時期
北海道以外の日本全土に生息(琉球列島では、多数の同属別種が生息)。
川の中流域~河口、低地の湖沼等広く生息しており、淡水に比べ汽水域の方が数が多い。
河川では砂泥底を好み、太陽光が差す昼間はテトラポッド(消波ブロック)や岩・石などの物陰に潜み、主に夜間に活動する。
日中でも曇天や雨天であれば活動するので、釣りで捕獲することができる。
釣りの時期は、5月~9月と言われていますが、地域によって多少異なります。
道具を揃えよう!
- 釣竿、ロッド
長さ1-2mの延べ竿が扱いやすいです。
収納した状態で、リュックなどに入る長さ(~40cm)だと、釣行時の移動に楽です。
材質は、カーボン率が高いものが良いのですが、グラス100%でも構いません。
『タナゴ竿』または『テナガエビ竿』などで検索すると良いでしょう。 - 道糸・ライン
ナイロン0.8-1.5号程度で、あまり細くする必要はありません(細くしても釣果は変わりません)。
また安い商品で十分です。 - ウキ
小さな玉ウキ(3-5号)を使います。
お薦めは一番小さい3号です。
写真にはありませんが、ウキを固定する為のウキ止めゴムが別途必要です。 - オモリ
0.3-0.5号の中通しオモリ、または大き目のガン玉・割りビシを使います。
お薦めは、中通しオモリです。
テナガエビがエサを掴んで口に引き寄せる時に、中通しオモリだと、オモリ自体が負荷にならないので、テナガエビが違和感を感じにくいのです。 - たる型ハリス止め(サルカン)/ゴム管
たる型ハリス止めで、道糸(ライン)とハリスを接続します。
ハリスを引っ掛けるように接続するタイプで、根掛りが多い場所で使うとハリ(+ハリス)交換を素早く行えます。
通常ののサルカン(スイベル)でも構いません。
ゴム管は、結束部保護の為に使います。 - ハリ
テナガエビ釣り専用のもの(2号程度)がお薦めです。
無ければ、タナゴ釣り用、またはワカサギ釣り用のものでもOK。
いずれもハリス付のハリが便利でお薦めです。 - その他必要なアイテム
テナガエビの口からハリを外すためのピンセット(または先の細いラジペン)、活かして持ち帰る為のクーラーボックス(近所での釣りならバケツでもOK)&エアーポンプが必要です。
仕掛図
決まった仕掛けはありません。
ここで紹介する仕掛けは参考程度に、細かいことはあまり気にしなくてもいいですよ。
『手軽に、気軽にやれる釣り』、それがこの釣りのポイントです。
難しく考えて、釣り自体が億劫になっては、元も子もないですから。
釣れるエサはこれ
扱いやすく、釣果が一番期待できるのは、『生きた赤虫』です。
但し、釣り具・釣り餌屋さんに置いてないところも多く、入手が難しい場合は、小さなミミズでもOK。
カニカマをほぐして1㎝位にカットするエサでも釣れます。
只、動きが無い分、生き餌には敵いません。
釣ってみよう!
まずは一連の流れを確認してみましょう。
- ウキ下を調整します。
仕掛けを投入するポイントで、玉ウキが水面下1㎝位のところにくるようウキ下を調整します。
調整する時は、一度ウキを外して、ウキ止めゴムを前後に動かし、位置が決まったら、ウキを再度取り付けます。 - エサをハリに付けます。
赤虫は、真ん中にチョン掛け、ミミズは、1㎝位にカットして、同様チョン掛けに。 - 仕掛けを投入します。
片方の手に竿を、もう片方の手に仕掛けのオモリ部分を持ち、アンダースローで仕掛けを狙ったポイントに投入します。 - アタリを確認してから15-20秒待つ。
テナガエビが、その長い手でエサを掴み、そして自分の口に引き寄せた時に、ウキが数㎝引き込まれます。
そのアタリを確認してから、15-20秒カウントします(ハリが口元に掛かる位置に来るまで待ちます)。※仕掛けは簡略化しています。 - 合わせます。
竿を軽く、少しゆっくり目にシャクリ合わせます。
ハリ掛かりすれば、エビはエビバックを繰り返し、強く抵抗します。
慌てず、冷静にゆっくり引き上げていきます。 - 取り込みます。
強く抵抗するテナガエビも自重は軽い為、水面から抜けると”スポッ”という感じで軽くなります。(釣れたテナガエビのメス) 背中部分を軽く掴み、ピンセットまたはラジペンでハリを外し、5cm位の水道水を張ったクーラーボックスまたはバケツに収容します。
以上の流れを繰り返していきます。
以下、その他の補足事項です。
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大きなオスのテナガエビは中々強力なハサミを持っています。
挟まれても怪我をするほどではありませんが、ちょっとチクッする位の痛みはありますので、注意してください。(オスはハサミに注意!) -
エサとテナガエビの位置関係およびその動作により、顕著のアタリが無い場合があります。
3-5分程待ってもアタリが無い場合は、一度仕掛けを引き上げてみます。
そのタイミングで掛かる場合もあります。 - ウキに大きな動き(10cm以上横移動する等)がある場合は、魚が掛かっている可能性が高いので、即合わせます(15-20秒待たない)。
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エビ影が濃い場所では、同じポイントで何度でも釣れます。
3-5か所のポイントを何度もローテーションする感じで釣ると良いでしょう。 -
時に大きな魚が掛かる場合がありますので、置き竿をするのはあまりお薦めできません。
竿ごと持っていかれます。 - 皮だけになったようなエサ(赤虫)は、新しいものに交換します。
-
カンカン照りの日中は、テナガエビ釣りに良いコンディションとは言えません。
事前に天気予報などで、天候を確認しておきましょう。
曇天がベストです。
<テナガエビ釣り動画>
釣りに彩りを与えてくれる外道魚たち
テナガエビ釣りでは、釣り場(汽水域または淡水域)やエサにより異なりますが、様々な外道魚が掛かる場合があります。
その一例を挙げてみます。
- マハゼ
- キチヌ(キビレ)
- チチブ(ドンコ)
- アナハゼ
これら外道魚は、その辺に放置することなく、逃がしてあげましょう。
活かして持ち帰る方法
折角釣ったテナガエビ、持ち帰って美味しく食べたいものです。
テナガエビは生息環境にもよりますが、1-2日は活かして、不純物を放出させ、それから料理します。
なので、できるだけ『活かして』持ち帰るのがポイントです。
釣りを始める前に、クーラーボックス(またはバケツなど)には、足元が滑りテナガエビのストレスにならないようにネットと5㎝程の水道水を予め入れておきます。
釣った瞬間から、泥抜き開始する為、水道水を使います。
カルキ抜きをしなくてもテナガエビは死にませんので大丈夫です。
また、夏場は水温が上がり過ぎないように、氷入りペットボトルを入れておくと良いでしょう。
只、網で捕まえる場合と異なり、釣りバリが口元に刺さることにより、テナガエビが弱って死ぬ確率はどうしても高くなります。
途中で死んだテナガエビでも捨てることなく、料理に使いましょう。
美味しく食べよう!
当サイトでは、テナガエビを美味しく食べるためのポイントやレシピページを用意しています。
ご参考になれば幸いです。
安全に釣りしましょう!
テトラポッドの上などは、危険が伴います。
靴底は滑らないものを履き、足場が安定しないところで無理に釣りをするのは止めましょう。
安全に、ゲガ無く、釣りを楽しむ、そして持ち帰ったテナガエビを美味しく食べられて、そこではじめて良い釣りが出来たと言えるでしょう。
ここをご覧になっている皆様に良い釣りをして頂く為に必要な情報は盛り込んだつもりです。
どうかお役に立てますように。