釣り場でのあなたの何気ない行為が釣果に悪い影響を与えているかも!?
意外と知られていないタブーを回避することによって、釣果アップ間違い無し!
糸の太さとか細かいことを気にする前に、是非ともここで紹介する秘訣、具体的事項を実践して、その成果を確認してみてください。
あなたも釣り場でこんな経験があるはず。
”あれ!?今まで良かったのに、急に釣れなくなった/ アタリがなくなった…”
勿論、大型魚が接近してきて、魚が散ってしまったという可能性もありますが、あなた自身やあなたの周りの人の行為によって、魚が逃げてしまったのかもしれません。
そんな時は、ここに挙げた行為を行っていなかったか自問してみると良いでしょう。
魚の視力面からのタブー行為
釣り場では、人間が魚を見えている以上に、魚は人間を見えていると言われています。
また、魚種によって特徴は異なりますが、一般的に魚には色彩感覚があるとの各種実験結果が出ています。
これらの事から、以下のことがタブーとなります。
(魚との距離が遠い「投げ釣り」や「船釣り」などを除く)
色鮮やかな服装
色鮮やかな目立つ服装で釣りをすることは、自ら魚を遠ざけていることになります。
では、どんな色が好ましいのでしょうか。
実は、魚には色彩感覚はありますが、黒や灰色は、色彩としてではなく、単に明暗として感じるだけで色として識別することはできません。
釣行時は、黒・灰色系、または背後に溶け込む色(渓流釣りでのカーキ色など)の服装が好ましいと言えるでしょう。
派手に動く
仮に魚の目に人間が映っていてもその人間が動かなければ、魚は危険のものと認識できません。
ウキ釣りをしていると時々ありますが、大きな魚がすぐ側まで寄ってくることがあります。
人間が近くにいても動かない物体を人間=危険なものと識別する能力は無いからです。
ところが一度、その人間が魚をもっとよく見ようと動くと、はじめて魚は危険なものと察知し逃げるのです。
従って、釣り場では派手な動き、つまり急でオーバーな動きを慎むことが大事です。
魚の嗅覚面からのタブー行為
魚には優れた嗅覚機能があります。
サメは5km先の血の匂いを嗅ぎ分けると言いますし、鮭が生まれた川を正確に記憶・判別して産卵のため戻ってくるというのは有名な話です。
これらは優れた嗅覚によって成せるワザです。
では、魚の嗅覚を刺激しないために避けるべき行為を挙げてみましょう。
手を洗う
60年程前にアメリカである実験が行われました。
鮭の遡上が始まった川で、実験者がダムの魚悌を上る数を計測。
実験者が上流で手を洗う行為を行う前後で鮭の遡上数の変化を確認したのです。
結果、
・手を洗う前 : 平均34匹/ 10分
・手を洗った後: 平均4-5匹/ 10分
鮭が人間の皮膚臭を嫌って逃げたことが分かります。
勿論、人間の皮膚だけでなく、アザラシの毛皮などでも同様の結果が出ています。
従って、釣り場である川や海の水で手を洗う行為は、そこにいる魚を逃がしてしまう行為と言えます。
只、例えば川で手を洗ってもその地点から上流で釣る場合は問題ありません。
また、海で汲み上げた水で手を洗ってもその汲み上げた水を海に投入しなければ同様問題ありません。
どうしても海に投入する必要がある場合は、釣り座から少し離れた場所にしましょう。
放尿をする
これは特に男性の場合ですが、釣り場で立小便をすることがあります。
釣り場なので、当然近くにトイレが無い場合が多い。
どこかで済ませなければならないのだから、ある意味仕方無い行為と言えます。
ところが人間の尿も皮膚臭同様に、魚が嫌う臭いなのです。
分量が多いので、その悪影響は皮膚臭以上と言えるでしょう。
もよおした場合は、尿が釣り場の川の水・海の水に混じらないように気を付けましょう。
傷ついた魚のリリース
これは主に鯉や鮒(フナ)などの淡水魚が対象なのですが、釣り揚げた時に傷ついた個体をそのままリリースすると、その個体の傷口から溶けでた物質を嫌って同類の魚が逃げてしまいます。
これは群泳している魚にとって、仲間が攻撃されたことを知って逃げるという、種族保持の上からも大切な本能と言えます。
但し、一般的に海水魚にはこの特徴は無いようです。
淡水釣りにおいて傷ついた魚をリリースする時は、少し離れた場所にするか、その場を離れるまでバケツ等に活かしておき、後にリリースすると良いでしょう。
タバコを吸う
これはアメリカのあるウナギ漁師の経験から分かったことですが、ヘビースモーカーの漁師の漁獲高は、タバコを吸わない漁師のそれと比べて随分少なかったようです。
ウナギ以外の魚の実験結果は確認していませんが、他の魚にも同様の傾向があるかもしれません。
少なくとも釣りの仕掛けを作成している時、およびエサを付けている時は、咥えタバコをプカプカするのは避けたほうが無難でしょう。
魚の聴覚面からのタブー行為
魚は人間で言うところの内耳が頭蓋骨の耳殻内に収まっていて、人間同様に聴覚を持っています。
可聴域は、人間が20-20,000Hz(ヘルツ)であるのに対して、一般的な魚は、1,000Hz以下の低音でないと聞こえません。
(例外として、ナマズは13,000Hz程度まで聞こえると言われています)
更には、魚にはもう一つ「側線」という聴覚器官があります。
100Hz以下の低音(振動)、水圧の変化などを感知でき、地震を早くから感知する能力がナマズなどの魚にあるのは、この側線の機能によるものと考えられています。
釣りを行う上では、「低音」と「振動」がポイントであると理解しておけば良いでしょう。
車のドアをバン!と強く閉める音
人間の話声などは水中に殆ど伝わらないといいますが、低音や振動は、地面→海底と伝わっていきます。
特に車を横付けできる防波堤などの釣りでは、ドアをバン!!と強く閉める時に発生する衝撃音は、海底によく伝わるので注意が必要です。
よく家族連れの子供の騒がしさに対して、魚が逃げる!と怒るベテランが居ますが、釣果だけを考えればドアをバンと閉める時の音のほうが大きな問題です。
釣り場に近い車のドアを閉める時は、手でゆっくり押し込むように閉めましょう。
ドタバタと走り回る
上記同様の理由で、地面に直接振動を与える行為は慎むべきでしょう。
釣り場でドタバタと走り回る大人は少ないと思いますが、子供に比べて体重が重い分、振動も大きくなりますので、気を付けるべきです。
例えば、隣の釣り人が大物を掛けた時、自分の玉網を持って応援に駆け付ける事があります。
そんな時もドタバタと走らず、気持ち「すり足」&早足で歩きましょう。
バッカンの水を海面の落とす
海の防波堤では、バッカンで水を汲んで手を洗ったり、釣った魚を活かしたりします。
問題は使い終わった水です。
防波堤の上から、滝の様に水を落としては、その音に魚が驚いて逃げるのも無理はありません。
また「魚の嗅覚面からのタブー行為」でも述べたように、手を洗った水に含まれる人間の皮膚臭も魚を逃がす原因になります。
使い終わった水を海に捨てる場合は、自分や他人の釣り座から少し離れたところにしましょう。
他人のタブー行為について
この記事に記載したタブー行為は一般的に知られているものもあれば、そうでもないものもあります。
同じグループ内、仲間内であれば、釣りをはじめる前にお互い注意喚起すれば良いですが、赤の他人となるとそうはいきません。
他人が上記に挙げたような行為を行っていても、あなたが注意するのはトラブルのもとになるかもしれません。
世間一般的に見て特に問題があるのでなければ、「お願い」というレベルで声掛けするのが限界と考えます。
それがどうしても嫌なら人のいない釣り場・時間で釣りをすべきでしょう。
【参考文献】「魚の超能力」沼野井春雄著 / 「釣りの科学」森秀人著
注:掲載した写真はいずれも記事の内容に近いものを選定したイメージ写真です。
直接本文とは関係ありません。
<更新履歴>
2015/05/12 記事公開
2021/04/19 文章にメリハリ付けました(強調等)。目次修正。