あなたは、「アンチョビは洋風料理で使う食材で、買う物」と決めつけていませんか?
その材料は、イワシです。
イワシは、スーパーでも普通に買えるし、日本の海で釣れますよね?
材料調達は簡単です。
では、後は何か特別な手法や器具が必要なのでしょうか?
いいえ、何も特別なものは必要ありません。
では、作ってみましょう!ということで、アンチョビの作り方を紹介します。
アンチョビは、パスタやピザなどいろいろな料理に使える優良食材、お店で買うと少量なのに結構高いですよね。
釣りをして折角イワシが釣れたのであれば、是非アンチョビを作ってみてください。
手間や時間は掛かるけど、作業自体は簡単なんです。
材料
- イワシ x あるだけ
- 塩 x イワシ全部が漬かるだけ必要
- オリーブオイル x 同上
※イワシの種類は問いません。
マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシどれでも可です。
(但し、イワシと名がついてもイワシの仲間ではない、トウゴロウイワシは除きます)
※オリーブオイルは、風味豊かな一番搾りである『エキストラヴァージンオイル』がお薦めです。
他に、2番絞りの『ポマスオイル』やポマスオイルにエキストラヴァージンオイルを配合したものなどもありますが、アンチョビ作りには少々高くても『エキストラヴァージンオイル』を使いましょう。
風味が全然違います。
行程概要
全体の行程を確認してみましょう。
- ウロコ取り
- 3枚おろし(手さばき)
- 塩漬け 1か月
- オイル漬け 1か月
これだけです。
イワシの数が多いとさばくのが大変だし、漬け行程では時間は掛かりますが、難しいことはありません。
自家製アンチョビを作る喜びを一度経験すると、何度でも作りたくなりますよ。
詳しい作り方手順
ここからは作り方を詳しく説明します。
釣った(または買った)イワシを準備し、一方で空タッパに薄く塩を敷いておきます。
一匹一匹イワシのウロコを落とします。
指の腹で軽く擦るような感じでやりますが、取りにくい場合は爪を使います。
全部のウロコを取り終わったら、手開きで頭と内臓を落とし3枚に下ろします。
手開きの詳しいやり方については、イワシの刺身頁をご覧ください。
※鮮度によっては手開きが難しい場合がありますので、勿論包丁・ナイフを使ってさばいても構いません。
尚、マイワシとウルメイワシは皮をむいてもむかなくてもどちらでも構いません。
只、カタクチイワシの皮は薄い塗装みたいなものでむけません。
イワシの半身を丁寧にタッパに並べて行きます。
その上から塩を薄く被せていきます。
イワシがあるだけ、繰り返しイワシ→塩→イワシ→塩、という感じで何層にも重ねていきます。
最後の層まで塩を被せ終わったら、タッパを冷蔵庫に保管します。
この状態で約1か月待ちます。
1か月後、こんな感じ↓になっています。
※イワシから抽出した汁は、濾して魚醤(未発酵)として料理に使えます。
次に、イワシについてる余分な塩分を水で流します。
全数これを行い、順にまな板などに並べておきます。
キッチンペーパーなどでしっかり水分を取り除きます。
※水分をしっかり取り除かないと、後にビン底に水分層ができます。
水分層のイワシは発酵が進み過ぎて、ドロドロの液体のようになってしまいます。
熱湯消毒した密封瓶にイワシを並べ詰めていきます。
詰め終わりました。
※この例では、円形にキチンと並べていますが、雑然と放り込んでもOKです。
用意したオリーブオイルを詰め終わったビンに投入します。
イワシ全部を完全にオイルに浸るようにします。
(空気に触れた部分は酸化するので要注意です)
この状態で更に1か月室内の冷暗所(常温)で保存します。
※オイル漬け期間中に冷蔵庫保管をすると熟成が遅れるので、お薦めできません。
1か月経過したら、出来上がりです!
箸の先で簡単に崩れるような柔らかさです。
パスタやピザ、そして野菜炒めなど、色々な料理に使えるメチャウマ食材です!
料理例
ペペロンチーノ
塩を少な目にして、アンチョビを入れると美味しいペペロンチーノができます。
アンチョビは、火を止める直前に入れ、混ぜ合わせるのがポイントです。
トーストピザ
ピザを一から自分で作るのは中々大変ですが、トーストピザなら簡単。
トーストの上に、アンチョビや玉ねぎなどの具材を乗せ、その上にチーズ・マヨネーズを被せ、更にはお好みで一味唐辛子を振って、最後にオーブンで焼くだけ。
シリシリ
細切りの人参を油で炒め、塩で味付けするだけの沖縄料理です。
塩を少な目にして、アンチョビを加えるとまた違った美味しさに!
ポテトサラダ
味の強いアンチョビとポテトとはとても相性がいいのです。
ポテトサラダにアンチョビを加えるとこれまた絶品です。
嬉しいその他副産物
アラ魚醤
イワシの塩漬け工程が終わった後に、魚醤(未発酵)を取り出せることを上述しましたが、イワシのアラでも同様に魚醤が作れます。
こちらはしっかり発酵させるので、正真正銘の魚醤です。
アラはアラ専用のタッパに集め、塩または塩こうじを振って常温で約1年、ちゃんと魚醤ができます。
真夏で室内が30度オーバーになっても大丈夫です。
腐敗を心配して冷蔵庫に避難させないようにしてください。
うまみたっぷりイワシ塩
塩漬けイワシを取り出した後に、イワシエキスをたっぷり吸収した塩が残ります。
これを乾燥させます。
塊を崩しつつサラサラにしたら、『イワシ塩』の出来上がりです。
これも野菜炒めなどのイロイロな料理に使えます。